『シン・エヴァ』衝撃シーン“初号機 vs 第13号機”を考察→≪シンジvsシンジ説!?≫
■『エヴァンゲリオン』には“旧エヴァ”と“新エヴァ”がある
シリーズ完結編となる『シン・エヴァンゲリオン劇場版』。1月23日公開でしたが、公開再延期となってしまいましたね。公開が待ち遠しいばかりです……!そこで今回はYouTubeなどで公開されている『シン・エヴァ』本予告内の問題シーン、EVA初号機とEVA第13号機の対決について考察します。
さて、『エヴァンゲリオン』には大きく分けて2通りのシリーズがあります。『新世紀エヴァンゲリオン』として、1995年から始まったテレビ版(全26話)と旧劇場版2作からなる通称“旧エヴァ”。そして『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』として、2007年からリブートした『序』・『破』・『Q』、そして完結編となる『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の4作からなら通称“新エヴァ”。
“新エヴァ”の完結編『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は2021年1月23日公開ですが、それに先駆けて2020年12月25日にYouTubeなどで公開された同作の本予告(1分29秒)は、衝撃的シーンの連続でファンをザワつかせました。
■『破』のシンジが初号機に、『Q』のシンジが第13号機に…!?
本予告のなかでも特にファンの度肝を抜いたのが、後半で映し出されたEVA初号機とEVA第13号機の対決シーン。
初号機は『序』・『破』で主人公・碇シンジが搭乗する紫色を主体とした機体。そして第13号機は『Q』でシンジと渚カヲルがダブルエントリーして搭乗した、こちらも紫色を主体とした機体でした。
言うならば、どちらも主役機。
初号機は目が2つ、第13号機は目が4つなど細かなデザインに違いはあれど、2機とも非常に似た見た目。そんな主役機同士の戦闘シーンが公開されたのです。
さて、ここで疑問がよぎりますよね。“主人公のシンジは初号機と第13号機、どちらに乗っているのか?”ということ。
あくまで筆者の個人的な印象ですが、初号機にはシンジの母・ユイが同化しており、正統派主役機というイメージがあります。一方の第13号機は、シンジは何もわからずに乗らされて、カヲルは碇ゲンドウ(シンジの父)に騙されていたフシがあり、良からぬことに悪用されている機体というイメージ。
そのため、シンジが初号機に乗って第13号機を倒そうとしているのであれば、シンジが正しき道を歩んでいるストーリー、シンジが第13号機に乗って初号機を倒そうとしているのであれば、シンジがダークサイドに堕ちてしまったストーリー…という考察ができます。
ただ、あくまで巷の噂話レベルの話ですが、初号機と同化している母・ユイが全ての黒幕であるという説もあるため、もしそうだった場合は先述の考察が真逆にもなるわけです。
しかし筆者は、“主人公のシンジは初号機と第13号機、どちらに乗っているのか?”という問いに、もう一つの仮説を立てています。
それは、初号機にも第13号機にもシンジが乗っている――という説。
詳細に説明すると非常に長くなってしまうため端的に解説しますが、新劇場版3作目の『Q』は、2作目『破』の続きではなく、“旧エヴァ”(旧劇場版)の続きという説があります。
一般的には“旧エヴァ”と“新エヴァ”は別シリーズの話で、“旧エヴァ”の世界が終わり、ループして“新エヴァ”が始まったという考えが一般的です。…が、『Q』は“旧”を意味し、『Q』は“旧エヴァ”の続編という仮説というわけですね。
この説に沿って作中の時系列を並べると、以下のようになります。
≪テレビ版→旧劇場版→新劇場版『Q』/新劇場版『序』→新劇場版『破』≫
この説はいろいろと矛盾をはらみますが、そもそも『エヴァンゲリオン』という作品は、ひとつの矛盾もなく整合性のあるストーリーを求めるのは無理なほど複雑化しているので、いくつかの矛盾は無視してもいいだろう……という仮説です。
けれど、その『Q』が“旧エヴァ”の続編と仮定すると、旧劇場版で左目を負傷したアスカが『Q』で左目に眼帯している説明がつきます。また、『Q』で葛城ミサトやアスカがシンジに対してかなり冷たく接していたのも、旧劇場版でエヴァに乗り込みながらも戦わなかったシンジに対しての態度だとすると、腑に落ちるというもの。
そしていよいよ、本題の初号機にも第13号機にもシンジが乗っている説について。
二つの別々の世界線が何らかの力が作用して交わり合い、『序』&『破』のシンジが初号機に、“旧エヴァ”&『Q』のシンジが第13号機に乗り、対決するというストーリーなのではないか――という考察です。
本当に矛盾だらけですし、別々の世界線が交じり合う理由もわかりませんが、もしそうなるとしたら、『破』でヒロイックにレイを救出するまでに成長したシンジと、『Q』でダークサイドに堕ちかけていたシンジの戦いということに……。
妄想考察のひとつとしてお楽しみいただけると幸いです。