圧巻だった最終回の「本能寺の変」!『麒麟がくる』で印象に残った役者をおさらい的に羅列してみよう!!
俳優の長谷川博己(43)が、明智光秀を主演として演じたNHK大河ドラマ『麒麟がくる』の最終回が2月7日に放送され、平均世帯視聴率18.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と高い数字を弾き出し、有終の美を飾った。
私もここまで大河ドラマにハマったのはこれがはじめてで、毎回録画予約をしては欠かさず2度……いや、3度観をするほどの熱の入れようであった。
クライマックスは、やはり「本能寺の変」! 織田信長が燃え盛る炎の中で「人間五十年〜」と『敦盛』を舞い唄うこともなく、自害シーン“そのもの”もない、演出としては比較的サラッとした流れだった……との声もあったものの、最後の最後まで信長と光秀との深い信頼関係がひしひしと伝わってくる、私個人としてはとても切ない、これまでにない素晴らしい「本能寺の変」の解釈だった……と、思っている。
とくに、本能寺で光秀謀反の一報を聞いたときに信長が語ったとされている「是非もなし」(※正確には「是非も及ばず」)のくだりにおける、染谷将太(28)演じる信長の、なんとも言えない複雑な表情は、いい意味で我々視聴者を突き放すことによって、あらゆる想像力を掻き立てる最高の名シーン──ちなみに、「是非もなし」の意味は、広義的には「致し方ない」という切羽詰まった状況を指し、もう少々突き詰めれば「良し悪しを言っているより、目の前のことに対処していかなければならない」という気持ちを表す言葉であるらしい。『スポニチAnnex』の取材に応じた染谷将太も、「最終回の信長をどう演じようと思った?」という問いに対し、こう答えている。
「怪物になってしまった。そんなことを意識しました。もう誰も止められない、誰の話も聞かない、既に世界は自分の物だと思っている。そこに光秀の手が下される。光秀に討たれることでその全能感から解放され、ある種肩の荷がおり楽になる。死に顔は全話の中で一番力の抜けた顔にしようと思いました」
う〜ん……深い! 深すぎるっ!!
ところで、『ねとらぼ調査隊』がさっそく『【大河ドラマ】「麒麟がくる」登場人物人気ランキングTOP10』を発表していたが、その結果は以下のとおり。
1位:明智光秀(長谷川博己)
2位:帰蝶(川口春奈)
3位:足利義輝(向井理)
4位:織田信長(染谷将太)
5位:斎藤道三(本木雅弘)
6位:細川藤孝(眞島秀和)
7位:近衛前久(本郷奏多)
8位:松永久秀(吉田鋼太郎)
9位:正親町天皇(坂東玉三郎)
10位:羽柴秀吉(佐々木蔵之介)
私の率直な意見を述べさせていただくと、『麒麟がくる』にかぎっては「ダメな役者は一人もいなかった」。もちろん、長谷川博己の1位に関しては、なにも文句はない。前半から中盤あたりでは「主人公なのに存在感がやや弱いのでは…?」なんて印象も正直なくはなかった。しかし、今から振り返ってみれば、本来は「裏の調整役」として表舞台には顔を出さないという(『麒麟がくる』での)「影の薄い」人物設定を、卓越した演技力で地道に淡々と表現し続け、最大の山場での爆発力へと一気につなげていったのかもしれない。まさに「あっぱれ!」である……と、まだまだ書きたいことはいっぱいあるのだけれど、ここらへんで、私の『「麒麟がくる」登場人物人気ランキングTOP5:脇役編(※信長役の染谷将太は「主役」と見なす)』を恐縮ながら、発表しておこう。
1位:正親町天皇(坂東玉三郎)
2位:斎藤道三(本木雅弘)
3位:摂津晴門(片岡鶴太郎)
4位:足利義昭(滝藤憲一)
5位:羽柴秀吉(佐々木蔵之介)
玉三郎の「気品」、モッくんの「豪放」、鶴太郎の「おちょけた奸計」、滝藤の「ダメっぷり」……最初は「唯一のミスキャスト」だと思っていた「背の高い秀吉」も回を追うほど見事にこなれてきていた。あと、風間俊介の徳川家康もなかなかに斬新なキャスティングで、「ナイス!」でありました。ああ、明日からの「麒麟ロス」が恐ろしい……。