「TELハラ」に続いて今度は「エンハラ」!? 「ハラ〆造語」が大好きな某モーニングショーの功罪とは?

コラム

 

4月16日に放送された『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)で、「エンハラ」なるハラスメントの被害が昨今広まっている……みたいな特集が組まれていた。

 
4月6日にも「TELハラ」なるハラスメントを紹介していたばかりである。「新入社員が率先して電話を取る慣習」のことをこう呼ぶらしい。つくづく「〜ハラ」が大好きな番組だなぁと、呆れ……いや、感心した。

 
ちなみに、“今度”の「エンハラ」とは「エンジョイ・ハラスメント」の略語で、「仕事の楽しさを押し付けるような行為」のことを指すという。熱(苦し)い系の上司がよく口にしがちだったりする、ポジティブシンキング風なアレのことだ。「もっと仕事を楽しまなきゃ!」「どうせ出勤しなきゃいけないんだったら、楽しんだほうが得だろ!」……。

 
これら造語が数を増すたび、徐々に視認性と可読性が悪くなってきている気がするのは、はたして私だけであろうか? 初期に生まれた「セクハラ」だとか「家事ハラ」……なんかは、まだ字面を見ただけで、どんなたぐいのハラスメントなのかが容易にイメージできた。「アルハラ」だとか「カラハラ」なんかも、「アルコール・ハラスメント」「カラオケ・ハラスメント」とフルネームに“解体”すれば、その状況をどうにか把握できる。が、率直なところ「TELハラ」や「エンハラ」にいたっては、フルネームで表記しても追加解説なしではなにが問題なのかがよくわからない。「無理やり『ハラ』をくっつけてみました」的な強引さが否めない。しかも、無理やりゆえに、そのハラスメントに対する嫌悪の質量もイマイチピンとこない。

 
じゃあ、「エンハラ」にならないためには、上司はどう部下を叱咤激励すればいいのか? 「仕事は辛いものなんだから我慢しようよ…」「あと1時間で終業時間だから、もうちょっとだけ頑張ろうよ!」……だと、まるでブラック企業で働く同僚同士が傷を舐め合っているようなもので、さすがにネガティブすぎる。結局は「沈黙は金なり」「触らぬ神に祟りなし」……ってことか?

 
たしかに、ひとつたりとも具体例を提案することもなく、ただ「もっと仕事を楽しめ!」と、まるで念仏のごとく繰り返すだけの上司が直属にいた場合の“不運”は、それなりに理解できる。しかし、それくらいのことはサラッと流す──馬耳東風をキメ込んでスルーできないものなのか? 仮に、あまりにも度が過ぎて頻繁ならば、「パワハラ」でくくってしまえばいいだけの話ではないのか?

 
メインMCを務める羽鳥慎一アナ(50)は、今回の「エンハラ」特集の最後を

 

 「いろんなハラスメントが今後も次々出てくるんじゃないか」

 
……と、〆ていたが、

 
「いろんなハラスメントをもはや捏造に近いかたちで次々打ち出しているのはアンタら自身やん!」

 
……と、思わずツッコミたくなった。そして、少なからずの「他人からヤラれたくない行為」は、「ハラスメント」認定された時点で、そのうっとおしさが何倍にも増幅するのである。

 

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