ホリエモン・ひろゆき氏…その他の“仕事デキそうなヒト”たちが提唱する「電話不要論」に10%だけ同意できない理由

コラム

 

『2ちゃんねる』の創始者として名高いひろゆき氏(44)が6月11日、インターネット放送の『ABEMA Prime』にリモート出演し、「電話不要論」を唱えておられた。その理屈とは、おおよそだと以下のとおりであった。

 

 「立場が強くて、無能な人ほど(電話)を使いたがるんですよね。文章にまとめるのって、頭の中でまとめる能力を使って、説明文を書いたりしないといけないので。それすらできない頭の悪い人が、相手に電話をかけて口頭で思いついた順に伝えるんです」

 
「結果として、どこかに記録が残ったほうが仕事としてはうまく進むんですよ。でも、そういうのに気が回らない無能で立場が上の人が使いたがるので、若い人が嫌がるのは当然だと思いますけどね」

 
「仕事をしてない無能な人だったら、電話いくらかかってもいいですってことになるんですけど、ちゃんと仕事してる人には邪魔なんです。それをわかっていない人って、基本的には無能だと思うんですよね」

 
すでに4年ほど前にも「ホリエモン」こと実業家の堀江貴文氏(48)は、

 

 「電話は多動力をジャマする最悪のツールであり、百害あって一利ない。(中略)悪気なく電話を鳴らしてくる時点で、僕はそんな人とは一緒に仕事をしたくない」

 
……と、ひろゆき氏よりもっと過激な文言で、“電話での通話”を全否定している。そして、『DIAMOND online』では、経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員の山崎元というヒトが、ひろゆき氏に便乗する格好で「電話不要論」の根拠を、より綿密に解説なされていた。

 

詳細は↑をクリックして読んでいただきたいのだが、とりあえずは、その本文中にあった「5つの理由」も簡単に紹介しておこう。

 

 【理由1】掛ける側の都合で割り込む「タイミングの傲慢さ」

 
【理由2】「所用時間」が不明・不確実

 
【理由3】情報伝達が「非効率的」

 
【理由4】「記録が残らない」

 
【理由5】会話で頭が「リセット」されてしまう

 
以上を踏まえたうえで、同記事の筆者は

 

 知性や感性を使う仕事をしていらっしゃるビジネスパーソンにとって、電話によって失われるアイデアや時間の損失は小さくないはずであり、これは社会的な損失でもある。

 
「電話はできるだけ使わない」というビジネスマナーが早急に確立され、広く普及することを切に願う。

 
……と、総括なさっている。さて! 私は、ホリエモンやひろゆき氏や、この経済評論家さんが力説する「電話不要論」には、原則として賛成である。正確に申すと「賛成」ってよりは、昨今クライアントの(とくに若い世代の)ヒトたちから「仕事のやりとりはメールで!」という明らかなる“無言の圧”をかけられている(みたいな気がする)ため、「デキないヤツ」と見なされたくないので、極力「電話はかけない」よう“努力”している。そんなこんなで「メールでのやりとり」に慣れてくると、前出の“不要論者”が連ねるメリットはまったくもって「ほぼ正解」で、実際たしかにそのほうが「効率的」だと同感できるケースも、たくさんあった。

 
ただ、ひとつだけ! 仕事上、一秒でも先方の迅速なリアクションを欲するケース、たとえば今日〆切の原稿の取材相手が約束の時間をすっぽかし、しかも連絡も取れない場合、何かの事情で現場に来ることができない担当編集者の判断を悠長にメールでやりとりしている時間はない。こういうときにかぎって、やはり私は電話をかけてしまう。つまり、電車内や駅構内に備えられている「非常ボタン」的な役割として、まだまだ電話(の通話)は機能するのではなかろうか?

 
そもそも、電話程度で失われるアイデアが社会的な損失にまで発展するとも思えないし、あと、私は(相当に個人的な偏見ではあるものの)「ビジネスパーソン」という言葉をやたら多用するヒトのことを……あまり信用できないのだ(笑)。

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