開幕まであと1ヶ月を切った東京五輪を東スポが「チクリンピック」と「座布団十枚!」のネーミング!?
司会の春風亭昇太が
「こんな五輪はイヤだ?」
……とのお題を。すると、林家たい平あたりが手を挙げ、
「選手同士が禁止事項のマスク不着用やハグを密告し合う“チクリンピック”!」
……と回答。思わず「う〜ん!」とうなる春風亭昇太。「上手いっ! 山田クン、座布団十枚持ってきて!!」と山田隆夫をせっついて……そんな『笑点』の大喜利の一幕を眺めているかのような、シニカルでウイットの利いたネーミング力をほしいままとする内容の記事を『東スポWeb』が配信していた。どういうことなのかと言えば、どうやらこういうことであるらしい。
新型コロナウイルス感染防止対策のため、選手に厳格なルールを定めた東京五輪が、告げ口横行の“チクリンピック”になる可能性が指摘されている。
今回の五輪では「感染防止対策」ということで、選手団にはハグやハイタッチなどの物理的接触や外出禁止をはじめ、コロナ検査やマスク着用……ほかのルール厳守が求められている。そして、ルールを守らなかった選手や関係者には、参加資格はく奪、国外退去強制措置などの重い処罰が科され、メダルはく奪の可能性も示唆されているという。こうした“新たな決定”に対し、英『デーリー・メール』は
「(誰でも違反の申し立てができることから)選手は違反密告でライバルを狙い撃ちし、排除することが可能になった」
……と報道。それを受け、東スポは
「何とも姑息な手だが、ルールはルール。大会期間中、選手村には嫌な空気が流れ続けそうだ」
……と、記事を〆ている。まさに、半世紀以上も前に近未来の監視社会を描いたジョージ・オーウェルのディストピア小説『1984年』を地で行くかのごとくにサッドなシミュレートだが、「スポーツマンシップ」を信条とする世界のトップアスリートらが、はたして「そんなセコい真似するか!?」といった疑念がよぎるいっぽう、「スポーツマンシップ」を信条とするからこそ「どんなに些細な行動でもルール違反は許せない的な心理がはたらくのでは?」なんて風にも思えなくはない。
さらに、そんな“チクリンピック”な空気は選手村だけにとどまらず、“その外側”にまでも伝播する……と、6月14日にラジオ番組『垣花正 あなたとハッピー!』(ニッポン放送)に出演したデーブ・スペクターとテリー伊藤が語っている。
テリー「海外から来た向こうのマスコミ(や関係者)の人が、夜出歩いているじゃない。そういうのを日本の夕刊紙とかが撮るわけだよ。そうすると日本選手の活躍じゃなくて、海外の連中がこんな感じで遊んでいたというのが、新聞の一面になってくるわけじゃない。だから感動とスキャンダルが交差するよね」
デーブ「おそらくフライデーと文春は、(開催中)バッハ会長を尾行しますよ。絶対に考えてる。もう車(=ハリ車)の配置もしていると思います」
たしかに、こっちは十分にありえる、じつにリアルな“予測”であろう。いずれにせよ、“いつも”とはまったく趣向を異にする前代未聞の、まだまだ想定外で余談を許さない“物語”が続々と勃発しそうな気配がプンプンとただよう東京五輪なのであった。
正直なところ「日本のメダルの数」より「阪神の優勝」が気になる私としては、どうせもう開催しちゃうんだったら、不謹慎ながら「五輪を通じて繰り広げられる複雑怪奇な人間模様」のほうを、野次馬根性にまかせて静観したい?