【進撃の巨人】ある意味エレンの “進撃の巨人” より「進撃」しまくった破壊力絶大な巨人
累計発行部数1億部を超え、今年4月にその歴史に幕を下ろした漫画『進撃の巨人』。巨人と人類、そして人間同士の悲壮な戦争を描いた叙事詩である本作には、様々な能力を持った巨人が登場した。今回はなかでもトップクラスの攻撃力を持った巨人を紹介!
■超大型巨人/別名「破壊の神」…60mを越すかという巨人
まずは、『進撃の巨人』の顔とも言える超大型巨人から紹介していきたい。超大型巨人は、“九つの巨人”と呼ばれる異なる巨人化能力を持った9体の巨人の一体。その身長はなんと60mを越すかという大きさだが、その体格自体はスリムな印象を受ける。見た目はまるで皮膚を剥がした人間のようなグロテスクなものであり、その巨大さと相まって初登場時から読者に強烈なインパクトを与えた。
その巨体から繰り出される蹴りは、パラディ島に築かれたウォール・マリア、シガンシナ区の門を一撃で粉砕し、降り注がれた破片はシガンシナ区の住民を蹂躙した。まさに動く災害ともいうべき怪物である。だが、大きすぎるゆえか動き自体は緩慢で格闘的な動きはできないようだ。
単に巨大というだけでなく、全身の筋肉を消費することで膨大な量の蒸気を発生させ、敵を寄せ付けないといった技も可能。また巨人化の際に、まるで核爆弾かというような大爆発を伴うので、周囲の建物や人々を一撃で壊滅させることすらできる。ちなみに、最後の継承者であったアルミンはできなかったようだが、前任のマーレ軍人であるベルトルトは爆発被害を伴わない巨人化もできたようだ。
■獣の巨人/秘められた数々の能力で敵を圧倒した恐怖の巨人
次は、主人公・エレンの異母兄弟であるマーレ軍人、ジーク・イェーガーが継承していた獣の巨人だ。約17m以上と思われる身長と、顔・腕・脚を覆う体毛、そして異様に伸びた不気味な両腕と、特徴的な見た目をしている。
進撃の巨人、女型の巨人、鎧の巨人といったバランスの取れた格闘戦向きの体ではないが、油断は厳禁。継承者であるジーク・イェーガーの持つ巧みな投球技術と長い両手が合わさって繰り出される投擲は、敵を瞬く間に壊滅させる破壊力を有している。ウォール・マリア奪還作戦においては、調査兵団相手に岩石をまるで絨毯爆撃かのように投げつけ、兵団員たちを無残な血煙と肉片に変えていったのだ。また、中東連合との戦争では爆薬の入った樽を投擲したことで、遠距離から複数の軍艦をいともたやすく沈めていた。
この投擲能力だけでも厄介なのだが、その脊髄液を一滴でも口にした者を、ひと叫びで無垢の巨人に変身させてしまう能力、そして変身した無垢の巨人を数十体は操れるという破格の戦場制圧能力をも有している。あらかじめ抽出しておいた脊髄液をガス状にして噴霧したり、ワインに人知れず混入させたりしておけば、一瞬で敵地を陥落させることすら可能な危険すぎる巨人なのだ。
■戦鎚の巨人/硬質化能力で無数の武器を生み出す驚異的な巨人
最後は、マーレ編で初登場した戦鎚の巨人を紹介したい。この巨人は、マーレ軍の所有物ではなく、かつて、エルディア人でありながらマーレに寝返り、劇中で描かれた時点ではマーレの実質的な支配権すら握っていた貴族・タイバー家の巨人だ。その見た目は他の九つの巨人とかなり異なり、まるで全身タイツを思わせるツルツルとした白い体表に覆われ、その体躯も人間そのままを思わせるスレンダーなものとなっている。
その能力は、強化された女型の巨人や進撃の巨人が一部使用できる“硬質化能力”をより巧みに操るもので、継承者であったタイバー家当主ヴィリーの妹、ラーラ・タイバーは「巨大な戦鎚」「クロスボウ」「剣」といった手持ち武器を次々と生成し、進撃の巨人を操るエレン・イェーガーと激闘を繰り広げた。
この硬質化能力は武器生成ができるというだけではなく、敵の足元から巨人の胴体をぶち抜く威力の鋭利なトゲを、瞬時かつ無数に生み出すといったトリッキーな運用も可能。しかも本体がうなじにいなければならないという巨人化能力の弱点をカバーするように、肉体の一部をチューブのように伸ばし、ある程度離れた距離から有線操作することすらできるのだ。だが、その燃費効率はかなり悪いようで、長期間の巨人化は不得意。その隙を突かれてラーラはエレンに敗北を喫している。