河野行政改革担当相がツイッターにアップした、自身のものまね芸人を「似てない」と批判するヒトたちに「ちょっと待った!」
河野太郎行政改革担当相が6月28日、自身とそっくりなものまね芸人とのツーショット写真をツイッターに投稿し、それが一部で話題になっているという。
河野氏はこの日、吉本興業ホールディングス東京本部(東京都新宿区)を訪れ、新型コロナウイルスワクチンの職域接種会場を視察。その後、自身のツイッターに「吉本興業で知り合いに会った」と書き込み、前述の写真を投稿──河野氏の横にはスーツ姿の男性が写っており、ネット上では「似てる」「どっちが本物ですか?」などの声が……。ちなみに、河野氏が「知り合い」と紹介した“謎の男”は、吉本興業に所属するお笑いタレントの小森園ひろしというヒトで、河野氏のものまねには定評がある……らしい。
さっそく、その問題(?)写真をチェックしてみた。(二人ともが)マスク越しの写真だったので迂闊なことは言えないが、ものまね側(=小森園)の眉毛とシワは描き込みで、正直そこまで“激似”という感じではなかった(笑)。この河野氏によるツイートはいくつかのメディアもミニニュースとして報道していたが、記事下にあるヤフコメ欄をざっと眺めてみると……「(笑)」や「w」のニュアンスを一切含まない、わりと本気で「似てない!」と断じるコメントが散見……どころか、けっこうたくさんあって、驚いた。
私は思う。仮に「ものまね」を売りとするなら、ビジュアルが似すぎているということは、むしろマイナスポイントになるのではなかろうか。「外見が瓜二つ」なだけでは、単なる「そっくりさん」ではないか?
まだ写真をチェックしただけで実際に“動いている”ところは見たことがないので、はたして「小森園ひろし」なる芸人さんが河野氏を“元ネタ”としてどんな芸を披露するのかはよくわからないが、「ものまね芸」の真髄とは
「大して似ていない、言い換えれば、ちょこっとだけ似ている外見というギャップを逆手に取って、その“元ネタ”の身振り手振りや口調をトレースし、さらには“デフォルメ”というアレンジを加えること」
……だと私は考える。ものまね界の“大御所”とされるコロッケしかり、妙な色気が悩ましいミラクルひかるしかり、和田アキ子のものまねで一気にブレイクしたMr.シャチホコしかり……。つまり、「大して似ていない外見」のみを躍起になって指摘するのはお門違い、小森園ひろしの“河野芸”の良否を真贋するのは“ここから”なのだ。
一度、イチローのものまねを得意とする、某ものまね芸人さんと草野球でご一緒したことがある。その彼のユニフォームはシアトル・マリナーズのそれとまったく同じデザインで、背番号はもちろん「51」。顔(※多少ご本人よりは頭身はデカめであったが…)も背丈も骨格も肉付きも姿勢もそれなりに似ていた記憶があり、バッターボックスに入ってからのお馴染みのルーティンも研究に余念がなく、まさに「イチローそのまま」と評してもかまわないほどの完成度であった。ところが、スイングスピードがあまりに遅すぎて、バッティングは超へなちょこ……その凄まじいギャップに敵味方とものチームメンバー全員が不覚にも爆笑し、ずっこけてしまった。
途中までは完ペキで、肝心な部分が素で出鱈目──コレもまた、ものまねを芸にまで昇華する一つのスタイルなのかもしれない?