「鈴木奈々の休養」から垣間見られるギャルタレントの熾烈な椅子取りゲームと、デリケイトな「脱ギャル」のタイミング

コラム

 

タレントの鈴木奈々(33)が、今年の8月4日から芸能活動を休養することを所属事務所が発表した。なんでも7月下旬あたりから体調を崩していたらしい。

 
7月18日に放送された『うわっ! ダマされた大賞』(日本テレビ系)では、鈴木を偽番組に呼び出して驚かせるというドッキリを敢行。コーナーの冒頭では、本人が6月12日放送の『マツコ会議』(同局系)に出演していた際に、

 

 
「今、すごく私、自分に自信がないんですよ」

 
「(情報番組に出ると)『朝からうるさい』とか(ネットに)書かれるんですよ」

 
……と語っていたシーンを差し込むなど、鈴木が「最近、私みたいなのはもう求められていないんじゃないか」という悩みを抱えていることを前面に押し出し、(おそらく)番組側が「そんなことないですよー」と、ある意味“励まし”的なニュアンスを込めたドッキリを“プレゼント”する……みたいな感じの流れであった。

 
ダマされて某レジャーランドのボブスレーに乗せられた鈴木には走行中、「爆破」や「顔面クリーム砲」……など、さまざまな仕掛けが浴びせられるなか、最初こそあまり元気がなかったものの、やがて“いつものように”派手派手しいリアクションを連発。ボブスレーが到着してドッキリがあることを伝えられると「ふざけないで、もお〜っ!」と、やはり“いつものように”長閑(のどか)なお約束のやりとりが交わされていた。

 
こうした、いかにも他人の同情を誘う慰安的な趣旨を、はたして鈴木自身が心底からうれしく感じたのか、逆に本心ではタレントとしてのプライドをいたく傷つけられたのか……そこらへんは私にはよくわからない。が、一種の“キワモノ”とされている、しかし、一定の需要はいまだ根強く残存し続けている希少な「ギャル枠」というポジションをめぐって、次から次に“ライバル”として登場する“ニューキャラ”との熾烈な椅子取りゲームに、我々視聴者が思っている以上に鈴木は悩み、疲れ果てていたのかもしれない。

 
メディア側が「ギャルタレント」に求めているのは、おおよそだと以下のような資質だと推測できる。

 

・けばけばしいファッションとメイク

・物おじしない

・傍若無人

・騒がしい

・真っ直ぐな性格

・教養よりは頭の回転の速さ

 
そして、これらには悲しいかな……すべて「若さ」という要素が、「若気の至り」と呼ばれる“免罪符”を共演者や視聴者からいただくため、セットとして不可欠となってくる。つまり、今年33歳になった鈴木は「年齢的にタレントとしての大幅な方向転換」を余儀なくされているのではないか。

 
この「休養」を境に、「過剰なサービス精神」に裏付けられた、いささか悪目立ち感が否めない自己顕示欲、承認欲求をマイルドに見せるテクニックを習得し、優しい顔立ちを最大限に活かした、ギャルタレントよりは席数が明らかに多い「ほのぼの系ママタレント」を目指してみてはいかがだろう。

 
2019年に開催された楽天-ロッテ戦(楽天生命パーク)の始球式で、鈴木が雨の降りしきるなか、マウンド上で何度も「いきます!」と気合いを入れたが、大役の緊張からか、なかなか投球動作に入らず、一度モーションに入りながらもやめてしまう場面もあり、試合開始が4分ほど遅れてしまう……という騒動があった。

 

たしか、ネット上では彼女に対する批判の声が殺到した記憶があるが、あのときの鈴木奈々は、惰性的に行われ続けている、近年の「リスペクトの有無を無視した有名人の始球式」といった“悪しき慣習”の犠牲者だった……と、私は考える。なにかと損をしやすい性格の子なのだ?

 

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