いろいろと批判されがちな秋元康だが、その情報収集術は、なんだかんだ言って「見習うべき!」だと思う件について

コラム

 

『スポニチAnnex』によると、作詞家の秋元康氏(63)が10月20日に放送されたラジオ番組『山崎怜奈の誰かに話したかったこと。』(TOKYO FM)にゲスト出演し、自身独自の情報収集術について語った……らしい。

 
同番組でパーソナリティを務める『乃木坂46』の山崎玲奈(24)から、「ものすごい量の仕事をしながら、インプット(情報集め)ってどうしてるんですか?」と質問された秋元氏は、以下のように答えたという。

 

 
「インプットは自然。たぶん、まじめじゃないんだよね。机に向かってひたすらメモを取ったり調べたりというのがない」

 
「(高校・大学時代は、同級生に)説明書を読めと。隅から隅まで読めと。俺に必要なところを教えろと。必要な情報だけを吸い上げるという、器用でちょっとズルい手法を取っていた。

これ読んたほうがいいなという歴史書でも、僕の性格からして『これ読んどいて』って、『おもしろかったところだけ話して』とか」

 
「雑談中、みんなで話してるなかで『へえ、それおもしろいな』とかいう話を聞いてるのがインプット」

 
「たとえば、グループインタビューをしたり、女子高生を呼んでそこからリサーチしようとすると、それを調べないと分からないじゃない? そうじゃなくて、普通にしてて耳に入ってくるくらい(の情報)がちょうどいいんじゃないかな」

 
当然のことながら(?)、この記事下にあるヤフコメ欄には、

 

 
「薄っぺらいヒトだというのがよくわかった」

 
「だから、どの歌詞見ても、SNSに載ってる言葉を繋いだだけのようなものばかりなんだね」

 
「だから、AKBとかおニャン子とか、流行るけど質はどうかなみたいなグループになるんかな」

 
……みたいな批判の声も多く寄せられていた。「100万枚売る楽曲の作詞をしても、後世に残る詞を一行たりとも書いてない芸能ゴロ」なんて辛辣な文言のカキコミもあった。ちなみに秋元氏は、まごうことなき永遠の名曲である、あの美空ひばりの『川の流れのように』の作詞も担当しているのだが……。

 
たしかに、秋元氏がクリエイトするモノは、音楽にせよドラマにせよ、世に蔓延る膨大な情報のなかから“美味しい部分”だけをピックアップしてツギハギしている、いわば「DJのサンプリング」的な要素が強いイメージは拭えない。が、「量産」はプロフェッショナルには欠かせない条件の一つゆえ、たとえそれらの“作品”が一過性でしかなかろうと浅薄で深みがなかろうと、普通のヒトならもう定年を迎えていてもおかしくはない64歳の初老クリエイターが、いまだ業界の最前線でご活躍なされているという歴然たる事実は、きちんと評価されるべきだと、私は考える。

 
以前、出版界では「インタビューの名人」として著名な某先輩ライターさんの取材現場に同行させていただいたことがある。そして、そのライターさんはインタビュー中、録音機器を使わず、インタビューイの発言をひたすらメモするだけ……という取材形式を貫いていた。インタビュー後、つい私は

 
「録音して文字起こしとかしないんですか? 聞き逃しとかあったら大変じゃないですか!?」

 
……と、問い詰めたのだが、するとそのライターさんは、

 
「メモったキーワードをあとから見直しても思い出せない発言は、しょせんそこまで重要じゃないんだよ」

 
……といった淀みない答えが返ってきた。「容赦ない、大胆な情報の取捨選択」──そりゃあ、文字起こしの時間をごっそり短縮できるというメリットこそあれ、私は今でも「インタビューはメモオンリー」ってえのは、とてもじゃないけどおっかなくて無理! しかし、“センセイ”の教えどおり、まず相手の会話に集中してメモを取りまくり、録音された内容はあくまで補足的割合にとどめておくよう努力はしている。また、秋元センセイがおっしゃりたいことも、とどのつまりはそういった風のことなのではなかろうか?

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