「人気が集まると強くなる」「強くなると人気も集まる」─鶏が先か卵が先か? 新庄日本ハム新監督に期待したいこと
北海道日本ハムファイターズが10月29日、新庄剛志氏(49)が来季の監督に就任することを正式に発表した。2006年に現役を引退して以来、16シーズンぶりのNPB復帰ということになるわけだが、これまで破天荒な言動の数々でちまたを騒がせ続けてきたいっぽう、「野球理論に関してはかなり理にかなった考えを持っている」との声も根強く、監督としての能力はまったくの未知数ではあるものの、現時点で世論的には歓迎と期待のムードが大半を占めている印象だ。
球界OBからも「新庄監督? いいんじゃないか!?」的な“エール”が多く寄せられており、元ヤクルト監督で野球評論家の古田敦也氏は『サンデーLIVE!!』(テレビ朝日系)で、
「エンターテイナーとしてもすごいと思いますし、野球観に関しても(阪神・メジャー・日ハム…と)さまざまなところで経験していますしね。どんな野球をしてくれるのかボクたちも楽しみにしています」
……と、高評価。さらには、
「ボクも昔、対戦していたんですけど、そのときは本当になにを考えているのか全然わからなかった。それが彼の強み。チームも強くなるんじゃないかと思います」
……と、かつての名捕手からの視点で「新庄氏の(敵から見て)嫌なところ」を指摘していた。あの「ハリー」こと“辛口ご意見番”の張本勲氏ですら『サンデーモーニング』(TBS系)で、
「強いチーム、勝つチームをつくっていただきたい。OBとして応援もするし、協力もするから」
……と、全面支援を約束していた。元千葉ロッテマリーンズの里崎智也氏は『ABEMA バズ! パ・リーグ』で、
「新庄さんがメジャーからパ・リーグに帰ってきたとき、忘れませんよ。『これからはパ・リーグです!』と。現実的に、本当にパ・リーグの時代になりましたからね。北海道へ行って、日本ハムを日本一にするって言って、(実際)なったじゃないですか」
……と、その“有言実行”ぶりを称賛。つづけて、
「今のパ・リーグがあるのは、選手では新庄さん、監督ではボビー・バレンタインのおかげやと思うんですよ。いろんなファンサービスも含めて。(中略)その新庄さんが帰ってくるわけでしょ。またパ・リーグがアツくなっちゃいますね」
……とも興奮気味にコメントした。
もちろん、阪神ファンである私も新庄新監督をめちゃむちゃ楽しみにしている一人である。しかし、張本氏が「強いチーム、勝つチームをつくっていただきたい」と願っていたように、あと、ネット上でも散見された
「ファンサービスだけでは盛り上がりにも限界がある。真の人気を得るためには、やはり日ハムが強くなる必要がある」
……といった意見も、たしかにごもっともではあると思う。「人気が集まるとチームも強くなる」「チームが強くなると人気も集まる」──どちらも正論で、これはもう「鶏が先か卵が先か」って話になってくるのだけれど、私の個人的な見解では「とにもかくにも人気が出ること=注目度が高くなることによって、選手のモチベーションも上がってくる」、すなわち「人気が集まると、おのずとチームも強くなる」という側面は、意外と無視できない、大きい要素なのではないかとにらんでいる。我が阪神タイガースのように、注目度の高さが逆に時おり選手の足を引っ張るケースもなくはないのだが……(笑)?
とりあえず私の勝手な希望として、新庄新監督にはぜひ「野手」として“現役復帰”してほしい。そして、
「オレみたいなロートルが試合に出ていることが悔しければ、実力でオレを蹴落としてみろ!」
……と、これ以上ない強烈なる“檄”を選手たちに飛ばしてもらいたい。