累計発行部数が驚異の約5億部という大人気漫画『ONEPIECE』。麦わらの一味のメンバーであるゾロとサンジはいつも喧嘩ばかりしているが、意外に相性が良い一面も……。今回はそんな名（迷？）タッグのエピソードを3つご紹介。

 

 

■「…おいコック 10秒手ェかせ」「…妥当な時間だな」／相性最悪なふたりの最高の共闘

まずは、コミックス第33巻よりデービーバックファイト編での名シーンをご紹介。空島を後にしたルフィ一行は、フォクシー海賊団に「デービーバックファイト」と呼ばれる、負けたら仲間を奪われるゲームに無理やり参加させられていた。ゾロとサンジは第二回戦の「グロッキーリング」（球技に近い競技）に参戦し、第一回戦で奪われた仲間のチョッパーを取り返すべく奮闘する。

しかし、ゲーム内のポジションを決めるときに揉めたり、嫌味を言ったりとゲームが始まる前からふたりの関係は最悪。そして、いざゲームが開始しても、喧嘩ばかりでチームプレーとは程遠いという感じであった。最初こそ各々の個人プレーで優勢を保っていたが、中盤に差し掛かると相手が武器を使用する、審判（と言っても敵海賊団のひとり）がそれを黙認する、などしてゾロとサンジは完膚なきまでに叩きのめされてしまう。

絶体絶命のピンチに追い込まれたなか、ふたりは勝つために協力関係を結ぶ。ゲームはフォクシー海賊団側が優勢であったが、覚醒したゾロとサンジは連携を深め、無刀流、蹴りと自身の技をフルに繰り出し敵チームを一網打尽。そして、最後の敵を合体技である“空軍（アルメ・ド・レール）パワーシュート”で粉砕し、見事ゲームに勝利したのだった。

 

 

■「……なにも!!!な゛かった…!!!!」／仲間を守るため漢を魅せるゾロとサンジの覚悟

次は、コミックス第49巻・スリラーバーク編にてゾロとサンジが仲間を守るために漢を魅せたシーンをご紹介。王下七武海のひとりであるゲッコー・モリアを倒した麦わらの一味だったが、その直後また別の七武海であるバーソロ―ミュー・くまが襲来し、疲労困憊の一味は全壊してしまう。

一味のほとんどが倒れてしまった状況で、単身ゾロはくまに切りかかるもあっけなく返り討ちに。そこで、ゾロは「ルフィは 海賊王になる男だ!!!」と断言し、船長であるルフィを守るために自分の首をやるとクマに打診するのだった。

すると、そこに「待て待てクソヤロー」と言い放ちながらサンジが割り込んできた。「後々この一味で一番厄介になるのは、この“黒足のサンジ”だ」と言い、ゾロの身代わりになるためにくまの前に立ち向かった。だが、ゾロは手にしていた刀の柄でサンジの脇腹を思い切り突いてしまう。「…………てめぇ…」とゾロの肩を掴んだサンジだったが、力はほとんど残っておらず失神。

数時間後、目が覚めたサンジはゾロの安否を確認するためにひとり駆け出した。嫌な予感がしつつ探しまわった先には、想像を絶するほどの血の量と全身傷だらけになっているゾロの姿が……。サンジは「ここで何があった…………!!?」と問いかけるが、ゾロは「……なにも!!!な゛かった…!!!!」と答えるだけだった。

 

 

■「ああ見えてくるなァ… ルフィが『海賊王』になる姿!!!」／海賊王の両翼となる男たち

最後は、現在絶賛連載中のワノ国編から名シーンを抜粋。カイドウとの決戦中、ゾロはカイドウ＆ビックマムの一撃を受け、全身ぐるぐるの包帯に巻かれるほどの重症に陥ってしまう。サンジが応急措置を施したが、復帰は絶望的であった。

しかし、ミンク族直伝の超回復の薬を打つことで一時的に回復できると知ったゾロは薬を打ち回復を待つことに。ところが、回復が完了する前に百獣海賊団のツートップ、キングとクイーンが襲来してしまう。

サンジや元白ひげ海賊団のマルコなどが応戦するが、キングとクイーンの力は絶大であり、とうとう負傷中のゾロの元にキングがやってきてしまう。絶体絶命と誰もが思ったそのとき、花形登場かの如くゾロが復活！　ゾロの“三刀流煉獄鬼斬り”、サンジの“ムートンショット”がキングとクイーンに炸裂し、一気に形勢逆転へ。ふたりは目の前にいる敵を倒せばルフィが海賊王に近づく、と笑みを浮かべていたのであった。