当然出てくる?「週刊少年ジャンプの歴代名作漫画ランキング」に「あの作品がランクインしていない」問題
近ごろネタ元として "連チャン" しがちではあるのだけれど、またまたランキング専門サイト『ランキングー!』が配信していた『(週刊)少年ジャンプ「歴代名作」ランキング』なるタイトルの記事について、今日は語ってみたい。『株式会社CMサイト』がインターネットリサーチした結果を集計したもので、有効対象者数は10〜40代の男女5279名……とのこと。とりあえず、その「TOP10」は以下のとおりであった。
1位:ドラゴンボール
2位:SLAM DANK
3位:こちら葛飾区亀有公園前派出所
4位:ONE PIECE
5位:鬼滅の刃
6位:キャプテン翼
7位:シティハンター
8位:北斗の拳
9位:ジョジョの奇妙な冒険
10位:Dr.スランプ
1968年に創刊されて以来、50年以上も週刊で発行されており(※週刊化されたのは1969年)、1994年には653万部という歴代最高部数を達成したオバケ漫画雑誌である。粗掴みなフェルミ計算で換算しても、おそらく千単位のとんでもない数字になるであろう錚々たる連載作品群のなかから精選された "たった10作品" であることを考慮すれば……まあ、おおよそは予測できた妥当なラインナップ……だと思われる。
むろん、『幽☆遊☆白書』(12位)や『キン肉マン』(13位)が「TOP10」から漏れていたり、『DEATH NOTE』が「TOP20」にも入っていなかったり……と、個人的にはイマイチ解せない "現象" もいくつか散見されるが、「じゃあ、これらをTOP10入りさせるなら代わりにどの作品が下位に落ちるべきなのか?」と問われたら、それはそれで非常に困難なチョイスになってくる。あくまで「厳正なる統計作業によってメカニカルに導き出された結果」として、納得するしかない。
だがしかし、今回のリサーチで一つだけ! 異論を申し立てたいことがある。なぜ調査対象者が「10〜40代」だけなのか?
『週刊少年ジャンプ』は我々アラカン世代にとっても、れっきとした“青春”の1ページなのだ。「創刊50年以上」なのだから、せめて対象年齢を「〜60代」まで広げてくれてもよかったのではないか!? 仮にそうすれば、これらの順位はもう少々違ったものになっていたのではなかろうか?
たとえば、いたいけな思春期の少年のリビドーを刺激してやまなかった『ハレンチ学園』に、男の世界の熱(苦しさ)を描けば他の追随を許さない本宮ひろ志先生の『男一匹ガキ大将』、ジョジョシリーズの荒木飛呂彦先生がそのあまりの精緻な描写に舌を巻いたという西部劇漫画『荒野の少年イサム』に、大男が小男を投げてどんなホームランボールもキャッチしてしまう野球漫画のエポックメイキング的作品『アストロ球団』……あと、人間の排泄物をテーマとした前代未聞の問題作『トイレット博士』……エトセトラ・エトセトラと、今年還暦を迎える私としては、そういう "初期" の週刊少年ジャンプを支えてきた、現在となっては埋もれつつある作品にぜひ清き一票を投じたかった。じつに残念でなりません!