カノジョや妻のことを…いや、ヒトのことを「オマエ」と呼ぶことの途轍もないハードルの高さについて

コラム

 

「読者の毎日をもっとhappy&funにクリエイトすること」を目指す女性向けWebマガジン『Googirl(グーガール)』が『私って変態!? 女子が彼にドキッとするちょっと変わったポイントvol.1』として、「自分のことを『オマエ』と呼ばれたとき」を挙げていた。

 

なんでも、記事中に登場する20代の女性介護士さんは、 

 

「友達はみんな、女のことを『オマエ』と呼ぶ男は嫌い! って言っているんだけど、私はむしろ『オマエ』って呼ばれたくなっちゃう。『オマエ』って呼ばれたときにキュン! ってタイプだから、もしかしたら自分って変態なのかもなって思う。強めに上から物を言われるのが好きで、そういう人と付き合いたい…って言ったら友達にドン引きされた」 

 

……のだという。

 

大丈夫! アナタは決して「変態」ではありません。私の(まもなく)還暦に到るまでの豊富な女性遍歴と照らし合わせるに、こういう性癖(?)を持つ女子って……一定数は間違いなく実在しましたから。ただ、「変態」とまではいかなくても、とくにイマドキ女子のあいだではかなりの少数派、すなわち「わりと変わり者」であることにも間違いはない。そのくらいにご自身の属性を踏まえておいてください。

 

ちなみに、私は自分の恋人や妻……はおろか、同性の友人や後輩ですら「オマエ」と呼べない人間だったりする。おそらく、この生涯で「オマエ」という言葉を口頭で使用したのは、両手の指で数えられる程度だろう。

 

「オマエ」呼びどころか、相当に親しい間柄である人間の姓名を呼び捨てすることだって、なかなかできない。妹でさえいまだに「カヨちゃん」だ。

 

一度、付き合ったばかりの女性に「(名前を)どう呼べばいい?」と尋ねたら、「呼び捨てがいいな…」と返され、(マジな話)家で何度も練習した。練習に練習を重ね、ようやく呼び捨てできたのは約2週間後であった。しかも、それがどうしても自分には馴染まず、また約2週間後には「エミリン」(仮名)と、私が勝手につけたニックネームで呼んでいた。

 

そして、前出の20代介護士サンみたいな女子は、私のような「良い意味でも悪い意味でも、年齢に関係なくヒトを自分と徹底して同列(あるいは目上)とみなす」男子には絶対近寄ってこない。「強めに上から物を言われるのが好き」な(少数派の)女子は、私とは極北の位置にいる高圧的な殿様気質の男子のことを、嗅覚で敏感に察知するからである。極論すれば、暴力をふるう男子ばかりと付き合っている女子が、「次こそは殴らない男と…」と口にしながらも、またつい粗暴な男子に靡(なび)いてしまうのと似た理屈なのかもしれない。

 

たとえ「オマエ」と呼ばれたい女子と「オマエ」と呼べない男子が、奇跡的な出会いとタイミングによって交際してみるハメになったとしても……そのカップルは近い将来、ほぼ100%破綻する。「趣味のくい違い」や「味の好みのくい違い」なんかより数倍も深刻な「異性へのスタンスのくい違い」は、本来だと第一・第二印象レベルの早い段階で棲み分けが成されており、結論を申せば「収まるべきところに収まったカップリング」こそが、もっとも幸福な恋愛のかたちなのではなかろうか。

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