じつは "脈ナシサイン" だった!? 飲み会で出会った女性が「前世が見える」というので占ってもらった結果…

コラム

 

とある男女混合の飲み会で、初対面の真っ黒な髪が腰ほどまである女性と、たまたまとなり合わせになった。

 

しばらく雑談を交わしていると、どうやら彼女は人の「前世」が見えるらしい。

 

過去にも一度、そういうことを言う、職業は占い師だとうそぶく初老の男性にスナックだかバーだかで私の前世を見てもらった記憶がある。

 

そのときは、たしか

 

「あなたの前世はミケランジェロの二番弟子です」

 

……なんて風なことをおっしゃってくれた。私は一応イラストレーターでもあるので、悪い気はしなかった。

 

これが仮にミケランジェロ本人だったりダ・ヴィンチだったり……あと、坂本龍馬だとか宮本武蔵だとかイワン雷帝だとかの歴史的な著名人だったら、あまりに嘘くさい。かといって、源氏に追われて山奥で餓死した平家の落武者だとかフランス革命で車裂きの刑に処せられた平民だとかも微妙だったりする。そう考えれば「ミケランジェロの二番弟子」っていうのは(とくに「二番」のくだりが)リアリティのバランス面でもなかなかに優れた、さらには相手(=私)の好奇心と射倖心をくすぐる、おもてなし感に満ちた最高の "回答" だったのではなかろうか。

 

で、話は戻って……たまたまとなり合わせになった、初対面の真っ黒な髪が腰ほどまである女性である。当然のこと、私は場を持たすために

 

「じゃあ、ボクの前世も見てくださいよー」

 

……と彼女にお願いする。

 

さすがに、また「ミケランジェロの二番弟子」とピッタリ合致した "回答" を得られるとまでは思っていなかったが、せめてそれに近いようなヒトだったらいいな……程度には期待した。

 

真っ黒な髪が腰ほどまである彼女は、

 

「わかりました」

 

……と、目を閉じて瞑想に入る。そして30秒くらいは経ったのだろうか、その彼女はいきなりカッと目を見開き、私にこう告げた。

 

「あなたの前世は蚊です」

 

「はい???」

 

「だから、前世は蚊です」

 

「“か”って…夏にぷう〜んぷう〜ん飛び回っている蚊のこと?」

 

「はい。ぷう〜んぷう〜ん飛び回っている蚊のことです」

 

「あのぉ…人間の前世が人間以外ってこともあり得るの?」

 

「はい。しょっちゅうあり得ます。生き物だったらなんでもアリです」

 

「そうなんだ…じゃあ、ボクの前世が本当に蚊だったとして、蚊の習性とかは今のボクの性格や人生にも乗り移ってくるわけ?」

 

「ある程度の影響はあるかもしれません」

 

「蚊みたいな性格や人生って具体的にはどんな感じなの?」

 

「そこまではわかりません。自分で考えてください」

 

「人の頭の上をぷう〜んぷう〜ん飛んでて、いきなりパ〜ンって平手で叩き潰されたり、フマキラーをプシューってされてコロッ…みたいな死に方をする…とか?」

 

「それも否定はできません」

 

「……………………」

 

もしかすると、新手のものすごく遠まわしな「アナタのことには興味ありません」サインなのかもしれない(笑)?

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