「長居ができて仕事がはかどるカフェ」の条件とは? 喫茶店を "書斎" とする文筆家が考えてみた
つい先日にもここcitrusで書いたばかりだが、私が最低でも週に8〜9回は通い詰めている恵比寿にある某喫茶店『ルノ◯ール』は、私にとっての「書斎」でもあり「職場」でもあり「第二の家」でもあり、多少大袈裟に申せば「聖地(サンクチュアリ)」である。そして、
“職場” として利用する以上、「リラックス」という概念は “害” でしかなく、ある程度の緊張感をキープできる、ある種のストレスフルな環境が必要となってくる。
……とも昨日書いた。ならば、そんな私にとって
「長居ができて、仕事がはかどるカフェ(喫茶店)」
……とは、一体どんな条件を兼ね備えた空間なんだろう? 昨日、寄稿したコラムで引用した記事の筆者であるフリーライターの鎌田和歌さんは、文中で以下のような「条件」を述べていた。
(1)少なくとも40〜50席以上のチェーン店
(※個人店や座席の少ない店だと長居しづらい)
(2)Wi-Fiや電源がある
(3)一人席が多い
(※二人掛け席を長時間一人で独占するのは申し訳ない)
(4)作業している一人客が自分以外にも複数いる
(5)低価格/複数回利用での割引チケットがある
(6)トイレが複数ある
(7)店員がフレンドリーすぎない
(8)音楽が流れていない
う〜〜〜〜〜ん……わかるわ〜!!! 類は友を呼ぶ?
とくに(1)と(3)と(6)と(7)! 一人席が多くて40〜50席ある没個性的なチェーン系だと、おのずと(4)のような「作業に集中する一人客」がメインとなり、そんな彼ら彼女らのなかに埋もれることができる。カフェや喫茶店を “職場化” するには、とにかく目立たないことが重要なのである。あと、長居するからにはトイレだって何度も利用するハメになるため、最低でも男女に分かれてはいてほしい。店員さんがフレンドリーすぎるのも案外キツい。いらん気を使ってしまうし、執筆中フランクに話しかけられたりしても、それはそれで厄介だったりする。
いっぽうで、(2)と(5)は、ゴメス的にはあまり賛同できない。ヘタにWi-Fiがつながってしまうと、つい余計なネットサーフィン(※←死語?)をしちゃいがちだし、どうにか集中力をキープできる5〜6時間程度でノートパソコンの充電が切れるくらいで丁度いい。そのような “制限時間” を設定し、さらには(5)みたいなリーズナブルなお店ではなく、そこそこ高い値段のコーヒーを2〜3回追加オーダーして飲みながら、仕事に取り組んだほうが、より緊張感も増し、結果として良質な原稿が書けるのだ。
さて。最後の(8)……「音楽(=BGM)」に関してだが、「まったく流れていない」ってえのはどうなんだろう? たしかに、たとえば日本語の曲が大音量で流れてでもいたら、そっちの歌詞に頭が持っていかれ、原稿に集中できなくはなる。が、完全無音の空間だと、他人の会話や食器を重ねる音さえもが響き渡ってしまう。したがって「音楽が流れていない」というよりは……「流れていることすら気づかないほどに存在感のないインストゥルメンタルのBGMを絶妙な音量で流している」カフェや喫茶店こそがベストなのではなかろうか。