“人と関わること” や “外遊び” を怖がらないで。「一斉休校なし」2度目の緊急事態宣言で確認しておきたい「子どもとコロナの関係

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元日本テレビ解説委員で、現在は各メディアでコメンテーターを務める岸田雪子氏が、子育ての身近な悩みや課題を取り上げる新連載「岸田雪子のBloom Room(ブルームルーム)」。親子の笑顔の "つぼみ" を花開かせる小部屋です。今回は、 “2度目の緊急事態宣言“ について考えます。
 

 

ついに発出された、2度目の緊急事態宣言。不安な日々が続きますね。「一斉休校はしない」という判断については、皆さんはどう受け止めていらっしゃるでしょうか。

「在宅ワークとの両立が大変だから、助かる」という声が上がる一方で、感染が爆発的に増えている首都圏では、「子供は感染して良いというのか」と心配される方も少なくないようです。

そこで、ご紹介したいデータがあります。

これまで小中高等学校で発生した、新型コロナ感染者の最新の状況を文科省がまとめたものです。

 

小学校   学校内感染   6%  
         家庭内感染 75%  

中学校   学校内感染  11%   
      家庭内感染 60%  

高等学校  学校内感染 28%  
      家庭内感染 31%      

文部科学省「小学校、中学校及び高等学校等における新型コロナウイルス感染症対策 の徹底について」)               



小中学生は、「学校内よりも家庭内で感染している事例が圧倒的に多い」という実情が見えてきます。

冬に入って子どもの感染も急増していますが、子どもたちへの感染を防ぐためには、学校を休ませることよりも、「大人が家庭内にウイルスを持ち込まないように」注意を払うことの方が、よほど効果的だということがわかります。

 

 

■学校での感染防止、カギは給食の時間?部活動の注意点

なぜ、現時点では学校での感染が抑えられているのでしょう。今、日本で広がるウイルスそのものの特徴もありそうですが、確たる証拠は未解明です。

マスクをして距離をとる、換気をする、というルールの徹底、消毒など先生方の努力に加えて、「給食の時間の光景」にも、そのカギがあるように思います。

専門家が「急所」だという、飲食の機会=給食の時間、子どもたちは「シーン」と静かに、「前を向いて」食べることが習慣になっているため、飛沫感染の防止につながっているからです。

お酒を飲んで騒いでしまいがちな大人の方が、見習うところがあるかもしれませんね。

一方で、学校活動で感染に注意が必要なポイントとしては、部活動があげられます。

マスクを外して、近距離で声を出す行為は、当面は控えることも必要でしょう。

「着替えの時間」、「休憩中の食事」、「スポーツの接触プレー」など、場面に応じて、そして地域の感染状況に応じて、学校と地域、保護者が連携して、活動の見直しも検討することが大切になります。

 

 

■変異ウイルスには要注意 でも恐れ過ぎずに

 もう1つ、子どもとコロナの関係でおさらいしておきたいのが、子どもの重症化率です。

 

重症化割合   0〜9歳 0.09%  
       10〜19歳 0.00%

死亡割合    0〜9歳 0.00%  
       10〜19歳 0.00%

厚生労働省・「新型コロナウイルス感染症の“いま”についての10の知識」

 

現状、子どもは、重症化や死亡割合も低いことがわかります。

もちろん、子どもたちが感染しても無症状のまま、ご家庭で感染させる可能性はあります。

ご高齢の方がいるご家庭ではご苦労が多くなりますが、距離のとり方や、マスクなど、大人の感染予防と同じように、引き続き行ってください。

ちなみに我が家は90歳の母と同居中なので、母と接する時は全員マスクをするよう心がけています。

気になるのは、南アフリカなどで確認されている変異ウイルスで、子どもたちにどんな影響をもたらすのか、注意が必要です。

ただ、こちらを警戒するのは政府の役割です。一般の生活者としては、これまで通りのマナーを守りながら、子どもたちが過度に怖がらないよう、家庭を安心な居場所として守っていただけたらと思います。

そのためには大人も、ストレッチをしたり、好きな香りを嗅ぐなど、リラックスできる時間を意識的に作ってみてはいかがでしょうか。

現状では、去年春のような一斉休校を避けて、地域ごと、学校ごとに判断することは、デメリットよりもメリットの方が大きい、といえそうです。

 

 

■人と関わること、外遊びを怖がらないで

休校しないメリット。それは、勉強や、親の負担軽減だけではありません。

集団生活が、「人間関係を学ぶ」大切な発達の機会であるという意味もあります。

小学校低学年の時期には、お友達と関わることで、居場所を作り、安心感を得て育ちます。

高学年以降は、家族以外にも関係性の軸を持つことで、人格が形成されていきます。

去年の緊急事態宣言中は、公園の遊具にテープが貼られて使用禁止になったり、外でマスクをせずに走り回っていた子どもが通報されるなど、行き過ぎた点もありました。

人と関わることや、外遊びを怖いと感じてしまうことがないように。育ちの環境を大人が守ることができればと思います。

 

 

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ジャーナリスト・東海大学客員教授

岸田雪子

キャスター・ジャーナリスト。東海大学客員教授。日本発達心理学会員。早稲田大学法学部を卒業、東京大学大学院情報学環教育部修了後、日本テレビ入社。報道局社会部記者、政治部記者として事件・災害・教育・医療・...

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