『るろ剣』「おろ?」とか言ってる剣心のまわりには、バリエ豊富に美女が揃っている件
■雪代巴
主人公・剣心の過去にまつわる重要人物の一人が雪代巴。幕末、剣心が人斬り抜刀斎として暗躍し、始末を続ける幕府方の人間の一人に、巴の婚約者がいました。巴は人斬り抜刀斎を恨み、幕府方の武装集団「闇乃武(やみのぶ)」を尋ね、仇討ちの策略を企てます。
巴は、剣心を観察する目的で懐に入り込もうとします。そしてひょんな出会いから剣心が寝泊りする旅館に住みつきますが、次第に二人は心を通わせることに。その生活で、巴は剣心の人斬り抜刀斎としての信念と心の葛藤を知り、巴と剣心はお互いに愛情を育んでいきます。最終的に、巴は剣心を「私の幸せを奪った人 そしてもう一つの幸せをくれた人」と愛していくのでした。
しかし、依然剣心を狙う「闇乃武」は、寝返った巴を利用して剣心をおびき寄せます。巴を取り戻すために呼びだされた場所に向かった剣心は、視力を一時的に奪われ……。剣心の窮地に、巴は捨て身で「闇乃武」リーダーの動きを封じたものの、目が見えない剣心は巴もろとも敵を斬ってしまいます。巴亡き後も、頬の十字傷とともに剣心の心にずっと存在を残す、剣心が最初に愛した女性でした。
■神谷薫
本作のヒロインである神谷薫は、東京下町にある神谷活心流という剣術道場の娘です。薫が神谷道場住み込みの奉公人に騙されて道場を売り飛ばされそうになったところ、流浪人(るろうに)の剣心に救われ、その縁で剣心は神谷道場に居座ることになります。
薫は神谷活心流の師範代だけあって武芸に通じ、心意気も強いのですが、剣心が志々雄討伐のために薫の前から姿を消した際には、ショックのあまり寝込むなど繊細な一面も。しかし、なんやかんやで剣心は最後に薫のもとに帰り、薫を安心させます。
「人誅編」では、薫は剣心が放心状態となるきっかけにも、その剣心が復活するきっかけにもなりました。剣心にとって薫は巴と同じくらい特別な女性となっていたのです。物語の最後には二人は結婚し、子供も設けます。
■高荷恵
薫のヒロインの座を最も脅かした存在が、会津藩(現在の福島県)出身の医師・高荷恵でしょう。医者の名家に生まれながら幼いころに会津戦争で家族を失くした恵は、それ以降お世話になっていた医者に騙されて麻薬であるアヘンの製造に携わることに。そして本編では、恵のみが知るアヘン製造法を聞き出したい麻薬密売人の武田観柳に捕らわれてしまいます。
剣心は恵を武田観柳から救い出しますが……。自らの意思ではないものの、アヘンを大量に精製して多くの人を死なせた罪の意識に耐えかね、一度は自害をしようする恵。そのあとも警察に自首し死刑をもって罪を償おうとしますが、剣心の計らいによって医者として多くの人を救う道を進むこととなります。
その後は剣心に恋心を抱き、“女狐”と呼ばれるキャラに定着。恵にライバル意識を抱く薫とは、恋敵としてよく喧嘩する事態に。しかし、結果的には剣心は薫を選び、恵にとっては儚い片思いとなるのですが……。お姉さん的な立ち位置で薫の精神的なサポートや、剣心らのサポートに尽力し、凛とした態度でみんなを支えるのでした。