「1000万円貯めた主婦は○○な人」なる記事は“マニュアル”として成立するのか? それとも単なる“事後報告”なのか?

コラム

 

ベネッセコーポレーションが発行している(おそらく)主婦向けの家事・お金・美容などの月刊生活情報誌『サンキュ!』が運営するネットメディア(同名)が、『1,000万円貯めた主婦は「スレンダー美人」で「センスのいい人」が多い!? その理由とは』なるタイトルの記事を配信していた。

 
冒頭には、

 
1,000万円貯めた人って、どんな人? 見た目は? 家の中はどうなっているの? ……気になりますよね? 1,000万円貯められるかどうかのヒミツがそこに隠されているのかも?

 
……と、ある。「そんなん本当に気になるかぁ?」とついツッコミを入れたくなってしまったが(笑)、とりあえずは「1,000万円貯めた主婦は、どんなヒト?」なのか、同記事に書かれていたその「特徴」を、以下に紹介しておこう。

 

 
特徴1:見た目はスリム体型でキレイ

 
1,000万円貯めた人は管理能力が優れているため、自分の体重も管理できる。また、自分なりのオシャレをリーズナブルに工夫しているため、さりげないセンスが光っている人も多い。

 
特徴2:家の中のものが少ない

 

「家の中がゴチャゴチャしている→ものが多い→それだけものを買っている」といった理屈。

 
 
特徴3:貯めている人は自分が好き

 
自己肯定感が強いため、居心地のいいよう家を整え、将来に向けてもお金を備える。

 
特徴4:ママ友とのつきあいもほどよいディスタンスで

 
「よそはよそ、うちはうち」というマイペースな考え方ができる。

 
特徴5:短期目標と長期目標を持って貯める

 
「老後の蓄え」ほか「長期目標」のみだとモチベーションが下がるので、「前から欲しかったソファを買う」ほか「短期目標」も設定して、楽しみながら蓄財する。

 
「特別に収入が高い家庭に属する主婦のケース」ではないので、「真似できそうなことから、ぜひ試してください」と、同記事は〆られている。どの「特徴」もそれぞれ、それなりにロジックがしっかりしており、基本的には「いい記事」だと思った。だがいっぽうで、仮にもし私が主婦だったとして、はたして「真似できそうなこと」なんてあるかしら……とも思った。

 
「太ってしまう」のも「センスが悪い」のも「家の中がゴチャゴチャしている」のも「自分を好きになれない」のも「ママ友の付き合いで程良い距離感を保てない」のも、そこそこの年齢になってしまった以上、もはやすべてはその人の“性分”であるからして、そう簡単に変えられるようなシロモノではない。極論すれば「明日から別の人間になりましょう」と言われているようなものである。

 
つまり「ハードル高すぎ!」なわけであって、ゆえに少なくとも私にはリアリティがなさすぎて“事後報告”としか捉えられない。「身も蓋もない」ってヤツだ。納得はできるのに、ほとんど役に立たない──そんな不思議な読後感がただよう、最近わりと気になった案件なのであった。今のところ「歯のインプラントがしたい」という「短期目標」のため、一応は小金をコツコツと貯めてはいるのだが……(笑)?

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