「恋を学んで、強くなる！」をコンセプトに、恋愛に悩むすべての女性に理想の恋愛を実現してもらうことを旨とするネットメディア『KOIGAKU（恋学）』が『身近にいるかも…!? 不倫カップルの特徴と見分け方』なるタイトルの記事を配信していた。冒頭には、

 

近年、SNSや出会い系アプリの普及から、既婚者でも浮気相手や不倫相手と出会いやすくなりました。芸能人の浮気や不倫がワイドショーなどで大きく取り上げられていますが、浮気や不倫は芸能人に限った話ではありません。

 

……との煽り文句がおどっている。とりあえずは、その「特徴」と「見分け方」ってヤツを以下に紹介しておこう。

 

【特徴】

・人目に付く場所でイチャイチャしている（不倫カップルは普段なかなか思うように会えないから、知り合いと出くわさない場所だと、よりイチャイチャしたくなる）

・（逆に知り合いと出くわしそうな場所だと）必要以上にコソコソとしている

・年齢差がある（とくに多いのは男性が40〜50代、女性が20代くらいのケース）

・一緒にいるのに間隔を空けて歩く

 

＜社内編＞

・同じ日に有給をとる

・一部の人しか知り得ない社内情報を知っている

・一緒に外出することが多い

 

【見分け方】

・片方だけが結婚指輪をしている（カップルのどちらも指輪をつけているが、デザインが異なる場合もダブル不倫カップルの可能性大）

・服装の差がある（一番ありがちなのは男性がスーツで女性がデート服といった組み合わせ）

 

なかなかに……どころか相当に良くできた「見分け方マニュアル」だと思った。

 

不倫カップルは関係自体に後ろめたさがあるので、どうしても行動や雰囲気が普通のカップルとは異なります。いくら警戒していても不倫カップルだとバレバレなケースも多いので、今回の特徴に当てはまる二人がいれば、かなりの確率で不倫カップルではないでしょうか。

 

……と、本記事の筆者は原稿を〆ているが、たしかに「言われてみれば…」的な "気づき" を促す、クオリティの高い「あるあるネタ」ばかりであり、不倫カップルがこうした行動へと到る根拠、心理作用もじつに的確で、どれもこれもがすとんと腑に落ちてしまう。この一連の "教え" を土台とすれば、訓練次第で「不倫ジャッジのマエストロ」への道も近い将来、開けてくるに違いない。

 

だが、ここで！ ある一つの根元的な「？」が脳裏に浮かんでくる。

 

「そんなもん見抜いてどないすんねん！」

 

……といった素朴な疑問である。はたして、この優れたマニュアルは誰に向けて啓蒙したいのか？ 「今回の特徴に当てはまる二人がいれば、かなりの確率で不倫カップルではないでしょうか」……って（笑）。仮に、社内で密やかに育まれている不倫をめざとくジャッジできたからといって、それをどう役立たせればいいのか？　

 

その彼と彼女に「バレバレなんで気をつけたほうがいいですよ〜」「やめたほうがいいですよ〜」……とでもアドバイスすればいいのか？　それとも「知ってますよ！」ってことを悟られないよう、より完ペキな「見て見ぬふり」を決め込めばいいのか？　そこまでいらん気を使うくらいなら、むしろ「知らない」ほうがラクだろ？

 

唯一、「不倫している当事者が周囲にバレないよう、あらためて自身の振る舞いを洗い直すときの参考にする」のが "実用的な使い道" として挙げられるが、そのチェックポイントが秀逸であればあるほど、残念なことにその関係は泥沼化へと突き進み、「理想の恋愛」からは遠のいてしまういっぽうなのではなかろうか。