振り切れた「きーちゃん」こと氷川きよしの「料理」に対する想いがあまりに素晴らしすぎる件について
デビュー20周年を迎えた2019年の『第70回NHK紅白歌合戦』のリハーサルがあった12月28日、指に黒や灰色のマニキュアを塗って登場した氷川きよしが取材陣に向けて行った、ある "宣言" はまだ記憶に新しい……のではなかろうか?
「きよし君にはさよなら。きーちゃんとして、私らしくという感じです」
「どうしても人間ってカテゴライズしがちで、その中でやっているのは苦しい。自分が持っているものをもっと活かしていけたらいいなと思っています」
「もっと自分を表現したい。趣味がほとんどないですけど美容は小さい頃から好き。ダメという傾向もあるけど、自分の個性、命を大事にして人を励ませるアーティストでありたい」
そんな過激な路線変更を果たした「きーちゃん」こと氷川きよし(43)が、"振り切れた後" にメディアやSNSを通じて発信してきた言動の数々は、じつに奔放かつエンターテインメント性も抜群で、私もわりとマメにチェックし続けてきた。そして、先日も『婦人公論.jp』に掲載されていたインタビュー記事で「料理」について、とても滋味あふれる "名言" を連発なさっていた。
なんでも、大の料理好きで知られているきーちゃんが進行役を務める、初のポッドキャスト料理番組『氷川きよし kiiのおかえりごはん』が、オーディオストリーミングサービス『Spotify』で、只今絶賛配信中であるらしい。番組では、遅く帰ってきた日でもサッとつくれる、リーズナブルで美味しく、フライパン一つでできるレシピなどを紹介しているという。
従来の「料理好き」でならす芸能人による料理自慢が、 "こだわり" を前面に出しすぎて、得てして "マニアック" へと走りがちなのと違って、きーちゃんの "料理論" は肩の力が抜けていて、私のような「料理は嫌いじゃないけど、毎日やるほどの "本格派" でもない」クラスの、いわゆる「にわか」をもやさしく受け入れてくれる、懐の広さのようなものを感じてやまないのだ。
「好きでたくさん料理してきた私でも、コロナ下では毎日毎日料理をして、献立のネタが尽きて、疲れ果ててしまう時がありました。そんな時はスーパーのお惣菜でも、簡単な一品でもいいと思います」
ただ、器だけは厳選し、必ず気に入ったものに移しかえ、盛り付けにも万全の注意をはらう……のだそう。
「器選びは自分の目で見ないとダメ。これまでネットショッピングもしましたけど、やっぱり直接見て触れて買う、と今は結論づけました。(中略)自分で焼くようにもなりました。旅先で陶芸ができる施設を見つけると、たくさん焼いて送っていただくことにしています」
たしかに、コンビニで買ってきたお惣菜でも、自宅に収集している器に移しかえただけで、ずいぶん気分も上がってくる。
「料理も、恋愛と一緒で、色気とロマンが必要ですよ(笑)」
そう! 結婚や同棲をして年がら年中顔を突き合わせているパートナー同士でも、ときにはオシャレをして自分の魅力を相手にアピールすることが重要なのである……ってことで合ってます……よね?